SQ “かかわり”の知能指数

by osicoman on 01/1/2012

お金さえあれば幸せになれる、とは限らない。じゅうぶんに暮らしていけるだけのものがあれば、たしかにそうかも知れない。じゃあ、そうなったとき、人はどこで幸せを感じるのか。ここでは、まず前書きで「身近な他者に対して手助けをすること」と言い切っている。

全国1万人へのアンケートの結果分かったこととして、人々は、日々の生活において「できる範囲での手助け」をしている人ほど、「現在のじぶんは幸福である」と考えている、らしい。本書では、この、”幸福度を高めるような他者へのかかわりの力” を「SQ」という指数で表している。この「SQ」を軸に、少子高齢化や地方の過疎化などの問題をどう解決するか提案し、また、2020年頃に社会がどのようになっているのか予測している。

読みやすい文体なのですらすらページをめくれるけれど、それでいて論拠となるデータや事例もたくさん引いてあって、しっかり説得力がある。どちらかというと、ふだんはあまりこういう類の本は読まず、もっと情緒的なものばかりを読んでいるので、新鮮だった。

ところで、本書では「SQ」的な考えの人たちが増える前、戦後の、消費を巡る価値観の変化について、けっこうなページ数を割いて紹介している。個人的には、この部分がいちばんおもしろかった。いろんなところで見る、世代間のズレの理由が分かったように思う。

また、その紹介の中で、高度経済成長を経た「黄金時代」から続いてきた「たくさん消費ができるヤツがエラい」という価値観に明確に NO と言っているのが、とてもよかった。痛快というか、いたしかたないというか、捉え方はひとつではないだろうけど。
このあたりの、大げさに言ってしまえば「資本主義からの脱却」みたいなものは、今後避けては通れないだろうし(しかも意外と早くそういうことになるかも知れないし)、じぶんの中でも前から気になっているトピックだったし、そんな話をする/見ることも、少しずつ増えてきた。

未来を考えるきっかけになる、その為の基礎をしっかりとつくってくれる、よい本だった。きっと今年、何度か読み返すことになると思う。読み返してこ!

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